2022年ミラノ・サローネ 英国を代表するデザイナー、トム・ディクソンが企画展 ‘TWENTY’ の開催を発表
今年60周年を迎える、世界最大のインテリア・ライフスタイル見本市ミラノ・サローネに、デザイン界は大きく沸き立っています。ただ、アニバーサリーを迎えるのは、このミラノ・サローネだけではありません。英国のデザイナー、トム・ディクソンも、2002年に自身の名前を冠したインテリアブランド「Tom Dixon(トム・ディクソン)」を設立してから今年で20周年を迎えます。この節目を記念して、ミラノ・サローネの期間中、トム・ディクソンは、これまでに前例のない企画展「TWENTY」を開催いたします。新作と代表的なコレクションが、「Palazzo Serbelloni(パラッツォ・セルベローニ)」および、ミラノにおけるトム・ディクソンの拠点「The Manzoni(ザ・マンゾーニ)」の2拠点で同時開催されることをお知らせいたします。
パラッツォ・セルベローニで開催される企画展「TWENTY」とは。
世界最大のアートとラグジュアリー・アイテムのオークションで知られるサザビーズのミラノ・ギャラリーやオフィスがある新古典様式の宮殿、パラッツォ・セルベローニで、デザインとイノベーションの20年を祝う企画展、「TWENTY」が開催されます。本展示会では、イノベーションとマテリアリティに焦点を当て、20の未公開作品が展示されます。「ミラーボール」、「メルト」、「ファット」といったトム・ディクソンの代表的なコレクションからインスピレーションを得たもの、アップグレードされたもの、実験段階のものなど、来場者は厳選されたデザインの中から、トム・ディクソンのデザイン・ポートフォリオと、英国を代表するデザイナーになるまでの道のりを振り返りながら、今後トム・ディクソンが志向する世界観をご覧いただけます。
トム・ディクソン曰く「ブランドの歴史や製造工程、そしてブランドの「これから」を示す20点のオブジェを展示するのに、ミラノの中心部にある歴史的なパラッツォという厳粛で静寂なスペース以上のプラットフォームはないと考えました」
「TWENTY」でご覧いただける作品の一部として、巨大な「メルト・ダイクロイック・シャンデリア」(「ダイクロイック」とは、ダイクロイックミラーと呼ばれる特定の波長領域の光を透過し、残りの波長領域を反射するミラーのことで、有用な波長を照射し、不用な波長を後方に逃すことから、照明用光源や光学装置など、多くの用途で使われています) や、デンマーク産の甘藻から出来たバード・チェア、ラテックス(天然ゴム)を使ったSチェア、巨大な菌糸から構成された彫刻物などがあります。
メルト・ダイクロイック・シャンデリアについて
「カムデン・マーケットで見つけることが出来そうな安物のサングラスや、大英博物館の初期ローマガラスの表面など、身の回りの日用品を通して見ることの出来る視覚効果の一種、ダイクロイック効果をご存知ですか?これまでに手掛けたトム・ディクソンの作品に多大なる影響を与えている視覚効果で、元々はNASA(アメリカ航空宇宙局)において開発された、白色光をその光を構成する複数の光源の色に分解する薄膜フィルターによって作り出されるものです。
今回、我々のスマッシュヒット商品として、意匠照明の世界を席巻しているメルトをいかに進化させるかを考えた時、形やサイズを変えたり、新色を投入するのではなく、シェードの表面をダイクロイックフィルターで覆うことによって、光源の光を濾過し、新たな視覚効果を生み出すことを考えました。強力なLED光源から発せられる光を、ダイクロイック加工されたシェードを通過させることで、スペクトルの構成要素に振り分け、シェード内部の反射にさらなる色彩の向上をもたらし、これまでに見たことの無い、宇宙時代の美学を体現するような作品に昇華させました。」
ミラーボール・シャンデリアについて
「環境への負荷を減らすため何が出来るか?私と製造メーカーは常にこの命題に挑み続けています。この記念碑のような縦型シャンデリアは、トム・ディクソンブランドとして私が世に送り出した「ミラーボール」から構成されており、そのシェードは100%リサイクルされたポリカーボネートでできています。技術の進化により、原料から新たに生成されたポリカと再生ポリカの間に光学的な品質の違いはほぼなく、世界的な環境への意識の高まりを見せる、今こそこの素材を発表するチャンスがあると考えました」。
菌糸体で構成された彫刻
「これらの彫刻は、私たちが最近取り組んでいるパッケージングプロジェクトから発展したものです。一般的に菌糸体というとキノコを連想されると思いますが、今、一番注目されている、時代の最先端を行くファッショナブルな素材です。私たちのパートナーであるMagic Mushroom社は、この分野で急速に成長している企業で、このキノコを使ったパッケージを製作しています。これは、パッケージにおけるポリスチレンに代わるものとして注目を集めています。しかし、私たちはもっと永続的な用途でそれを実証したいと思い、この「香りの柱」を作りました。キノコは香水をよく保持する素材であり、香りはキャンドルやディフューザーのシリーズで一緒に仕事をしているパートナー企業、インターナショナル・フレーバー&フレグランス社によって、人の肌につける香水として調合されたものです」
2022年6月21日~27日の入札開始前に、サザビーズ・ミラノ・デザインセールでご覧いただけるものも同時に公開されます。サザビーズ・イタリアで初めて開催されるこの種のオークションでは、ジオ・ポンティ、ジノ・サルファッティ、イングナツィオ・ガルデラ、エットーレ・ソットサスなどによる素晴らしい作品が出品される予定です。
「TWENTY」のイベントスケジュールについては随時アップデートされる予定です。ブランドのエキサイティングな計画については@TomdixonstudioとTomdixon.netでフォローしていただくことでご覧いただけます。なお、ミラノで行われる企画展「TWENTY」は、入場無料で一般公開予定です。
「TWENTY」に関するプレスプレビューは、6月7日(火)9:30からパラッツォ・セルベローニで開催されます。
ご来場にあたり、ご予約希望の場合は、弊社までご連絡ください: press@tomdixon.jp
Palazzo Serbelloni (パラッツォ・セルベローニ)
Sotheby’s Milan, Corso Venezia, 16, 20122 Milano
6月7日~12日の期間中毎日開催。開催時間:午前10時~午後7時
The Manzoni(ザ・マンゾーニ)での販売予約とベストセラーについて
パラッツォ・セルベローニでは「TWENTY」の企画展が開催されますが、The Manzoni(ザ・マンゾー:2019年よりブランドのミラノにおける拠点)は、トム・ディクソンの営業チームが常駐しており、トム・ディクソンのベストセラーの全ラインナップが展示され、新規および既存のお客様がご覧頂くことが可能です。
ザ・マンゾーニ
Via Alessandro Manzoni, 5, 20121 Milano
開場時間
6月7日(火) 午前10時~午後9時
6月8日(水) 午前10時~午後6時
6月9日(木) 午前10時~午後9時
6月10日(金) 午前10時~午後9時
6月11日(土) 午前10時~午後9時
6月12日(日) 午前10時〜午後7時
年間を通じたキャンペーン
「TWENTY」は、トム・ディクソンブランドにとってこれまでで最大のマーケティング・キャンペーンとなります。 「TWENTY」サローネ展は、この1年に渉るキャンペーンの口火を切るイベントとなります。その後、行われる主なイベントとして、ロンドン・デザイン・フェスティバル期間中に行われる「TWENTY展」(9月)を始め、パリ(9月)、ニューヨーク(9月)、LA(9月)、上海(10月)での開催を予定しております。トム・ディクソンが毎年行っているライティングとギフトのキャンペーンも「TWENTY」に焦点を当て、今夏には周年を記念し限定販売されるアクセサリーの展開を予定しています。
トム・ディクソン 20年の歩み
2002: トム・ディクソンが自身の名を冠した会社を設立。 第一弾として「ミラーボール」を発表。
2003: デザインリサーチスタジオ(DRS)を設立。
2004: 1989年にトム・ディクソンがデザインし、カッペリーニ社が発売したSチェアが、ニューヨーク近代美術館に永久保存される。
2005: BEATライトを発表。
2006: 「Great Giveaway」のスタントの一環として、射出成型されたポリスチレン製の椅子500脚をトラファルガー広場に納品。耳目を集める。
2007: ショーディッチ・ハウスのためにウィングバック・チェアをデザインする。
2008: ロンドンのセンター・ポイント・タワーの最上階にある会員制クラブとイベントスペース「パラマウント」の内装を手掛ける。
2009: ロンドンのサマセットハウスにボンベイ・サファイア・ダスク・バーを手掛ける。
2010: バハマに水中バイオロック生産工場を設立する。
2011: ブランド初の店舗、オフィス、レストランを備えた「The Dock」をロンドン西部にオープン。
2012: ミラノ・サローネでMOSTを発表する。
2013: 自身のデザイン哲学をつづった「DIXONARY」を出版し、アディダスとのコラボレーションをミラノ・サローネで発表。
2014: ロンドンのSea Containers Hotelのリニューアルを手掛ける。
2015: MELTライトを発表し、瞬く間にベストセラーとなる。
同年、アジア最初の旗艦店TOM DIXON SHOPを東京にオープン。
2016: ミラノ・サローネで、シーザーストーンとコラボレーションした「The Restaurant」を発表する。
2017: パリのシャンゼリゼ通りにオープンしたレストラン「Le Drugstore」のデザインを手掛ける。
2018: ロンドンのキングス・クロスに新たな旗艦店と本社オフィスを兼ね備えたCoal Officeをオープン。
2019: ロンドン・デザイン・フェスティバル・メダル・アワードを受賞。
2020: 北京に中国初の旗艦店をオープンする。
2021: エル・デコレーション・ブリティッシュ・デザイン・アワードを受賞する。
2022: ミラノ・サローネで20周年を祝うイベントを開催予定。